私のテンションが低く、シュシュも全力を出せませんでした。
そういえばスキル発動してないな。宣言をしなくてはいけなくなった?
すでに浦島太郎状態のようです。
「ふわー…ねむーい」
あくびをしながら戦闘用の鈍器を手にする。
「ボクの眠りを妨げたこと、後悔するがいい!」
寝起きとは思えない、普段のスピードで山賊を返り討ちにかかった。
「ふかふかベッド~」
ベッドの感触を楽しみながら、村人の心遣いに感謝する。
そのまま眠りに落ちるのに、さほど時間はかからなかった。
――ゴブゴブ…
「ん…」
目が覚めて、目をこすりながら音の正体を考えて、一瞬で敵襲と気がつく。
「みんな起きて! ゴブゴブが出たよ!」
慌てているのかわざとなのか。
外に出れば、ゴブリンだらけ。
「うわー、なにこの数。
センサイなボクの鼻が曲がってしまいそうだよ。
さぁさぁ!ボクが参るのとキミタチが参るの、どっちかなぁ?」
言葉は通じるのか不明だが、そう言って鈍器を構えた。
すっててて、と鈍器を手に持ち、ゴブリンたちの中へ突っ込んでいくシュラー。
「ずんどこ・アターック!」
くるくるーとゴブリンをなぎ払う。
しかし大きなダメージは与えられないので追い掛け回され、
キャーキャー言っている。
仲間たちが村の大多数のゴブリンを片付けてくれたのだが、村の中心部に向かえば、
大きなゴブリンが村人を追いかけている。
「こらこらー! そんなことしていると、ボクのずんどこ棒がキミタチを殴るよ!」
一回り大きなゴブリンの元へたどり着くと、
「やーいやーい、普通の人しか狙えないのかよー
ボクが相手だよ~」
ひらひらと手を振ってハイゴブリンを挑発してみる。
奴らが村人達から離れたので、内心ホッとした次の瞬間、攻撃を受けた。
(早いッ!)
体勢が悪かったので割と簡単に転倒させられる。
「あたたた…」
そこにきたのがシャースのハリセンチョップ(勝手に名付けた)。
「エェッ、なになに~?」
見た目とは裏腹に、ダメージが軽くなった感じがする。
ぴょこんと立ち上がると、興味深そうにシャースをじーーーっと見ていたが、
戦闘中だったことを思い出し、すっててて、とまた走って行ったとか。
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