疑問の答えは見つからない。
仲間たちや冒険者たちはそれぞれの道を歩き出した。
その様子を酒場の外で見つめながら、シュラーはため息をついた。
自分がなんなのか。
その答えはとっくに知っていた。
だが、それをさらに強調させる者が現れた。
名を、アークと言う。
アークは体。シュラーは心。
ふたりでひとつの役割を持っている。
その役割を果たせと、ブリアが自分を探しているのもわかっていた。
でも、そんなのはまっぴらごめん。
だって、自分は自由のリルビットなのだから。
だけど。
心にはもやがかかっているようだった。
アークの誘いを断ることもできた。
でも、自分ひとりではできることも限界。
自分がどうしたいか、それを決めるのが今なのかもしれない。
そう考え、手を取り、シュラーは姿を消した。