サボリ魔シュラー(大いに背後の影響を受けている)は
樽の上でごろごろしていました。
しかしチームのみんなは頑張っているので、あまり気乗りしないけど
退治に向かうことにしました。
チョコレートケーキでも食べて元気出そうとして自滅したりしています。アホ。
※要は前回の依頼のことを引きずっているだけ。
先頭を行き、皆をいつもどおり先導する。
そんなわけで、後ろで繰り広げられる心配合戦には気がついていなかった。
「もうすぐ、なにか来そうな感じだよー」
と、振り向けば、なんだか妙な空気。
でも、それには気がつかなかったようで、
「みんなー! 準備だ準備!
ボクはいつもどおりみんなにお任せだからネ☆」
しゃあしゃあと言ってのける。
大量のボーグル。
ボクは探索専門、戦いはお任せだよ~などと後ろに下がったはいいが、
それと入れ替わりに前へ出た女性陣二人を見て、ごくりと息を呑んだ。
「! ………。」
声にならない声。口をぱくぱくさせる。
その間にもボーグルとの戦いは続いており、テーナが攻撃を受け、声を出した。
ようやく、はっと我に返り、鈍器を握り締めると気まずそうにちょろりと前に出た。
そして、思い切りずんどこ棒をボーグル目掛けて放り投げると同時に
彼らに向かって突っ走った。
正面で地面を蹴り、1体の目に砂をお見舞いした。
「べーだ! 悔しかったら捕まえてみなー!」
尻尾をふりふり。
ついにトロールとの対決。
二人の魔術師がなにか作戦を練っていたが、それを聞かずにぷらぷらしていたので、なにが起こるかわかっていない。
「作戦ってどんなのかな? わくわく!」
かくして現れたのは、パーティの幻影。
シュラーのなんか、尻尾を振っている。
そのクオリティの高さに、嬉しくって、踊りだしたかったが、
それでは囮の意味がないことくらいはわかるのでおとなしくしていた。
それから発生した闇には、ぽけーっと様子を見て、ただただ感心するばかり。
「攻撃は背後からがキホン!」
現れた背中に気合を入れて殴りかかれば、ぺち。という情けない音がしたとか。
馬の名前と語源。
「ふーん、そうだったんだー。でもボクなら恥ずかしくってつけられないなー」
と納得しつつ、テーナの反応を見ていると、彼女はこちらに逃げてきた。
「ふに?
あ、だ、だめだめ!」
炎はうまく扱えないの。
言い終わらないうちに、テーナに持ち上げられた右手の指輪から炎が発射された。
「あ、あーあ。ボク、しーらない!」
無責任な白いヤツ。
ジジのダメージはたいしたことなさそうだ!
安心して歌いだす。
「トマトー、酸っぱいのがイヤなら、皮だけ食べればいいじゃない?♪
ざらざらするのがイヤなら、種だけ食べればいいじゃない?♪」
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