大きなクエストなので、のんびり進んでおります。
シュシュがホントは腹黒なのを公開しちゃったよ!
ちと、まだ正式に許可もらっていない設定もあるけど…
お姉さまだから許してくれるよね?!(別世界のお話なんで)
(部隊内作戦の帰り)
寒空の中、竜が空を駆けていく。
寒いのが平気な白リルビは、相変わらずドラゴンの首にくっついていた。
テーナがなにか怒っている(?)のが聞こえる。
しかし特にキニシナイで綺麗な空からの景色を眺めていた。
> 「あ、シュシュ、ちょっとちょっと。こっち来て」
すると、そのテーナに声をかけられた。
断る理由も全く無いので、竜の首から手を離すと、トコトコーとそちらに向かった。
> そうしてシュラーを抱えるようにギュッとすれば、
> 「……あー。暖かい……! 想ったとおり、このサイズ見事に丁度良いわ」
> 行きもこうすれば良かったわね、とか何とか。
「むきゅー!」
突然のことに驚いて声をあげる。
実はこのリルビ、スキンシップをされることがほとんどなかった。
なのでどうしていいかわからず、しっぽをぴんと張り上げて硬直するのであった。
(大作戦当日)
当日は雨が降っていた。
多くの同業者(野伏)たちが、予想が外れたことに驚きを隠せないでいる。
白いリルビットは雨に打たれながら空を見上げていた。
そしていつものように歌を歌う。
「雨が降るとき~ みんなはなにを考える?
これからの不安? いやそんなことはないのさ。
雨だって悪いもんじゃない。 雨の恵みは自然の摂理♪」
いつものように調子ハズレの歌声。
しかし次の瞬間、にたりと口を歪めて
「嫌いじゃないよこういう冒涜は。帝国に幸あれ♪」
心の底の本当のシュラーが笑う。
しかしそれも刹那のことで、また歌は続く。
「怪物さーん 怪物さーん 怪物さんは人間食べないの?
大変だよね帝国の人! さあ、ムリはいけないヨ?
こっちへおいで作戦の決行だ~♪」
皆がみな、緊張に包まれる中、一人暢気なものである。
(だって、関係ないもんね)
昔、とても大事な人を見殺しにした。
少し前、大事な仲間を守れなかった。
苦しくて、ずっと、ずっと悩み続けて。
出た結論は、人はいずれ死ぬという事実。それが早いか遅いか、それだけ。
この戦でも犠牲者は多く出るだろう。でも、それはそういう運命だった、それだけ。
そう簡単に割り切ってしまった。
(ボクは…悪魔なんだ)
自嘲の笑みが自然とこぼれた。
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「これからどうするか、だって?」
ドラゴンのしっぽを撫でながら現在の仲間たちへおうむ返しをする。
普通に戦うか、突っ込むか。
「ふーん…」
興味のなさそうな声だったかもしれない。
しかし、ぐるーっと戦場を見渡せば、全体的に倦怠感が漂っているように見えた。
だから珍しく意見を言う。
「ボクはねえ…速攻がいいな。
この人数をいちいちぶつけ合っていたら、みんな疲れるだけじゃん。
ぱーっと蹴散らして、ぱーっと決着つけよ?」
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「なんだよ、コレ…」
自分たちは、ガイアを守るために戦っていた。
なのに、そのガイアがこの有様である。
やられた。
そのことで頭がいっぱいで呆然としていたが、
ふと、以前面倒を見ていた少女のことを思い出した。
彼女は故郷を追われ、ガイアを第2の故郷としていた。
もしかしたら、いや、ここにいれば間違いなく、
前線に飛び出して自分が汚れるのも気にせず戦っているだろう。
激怒しながら、また、同時に泣きながら。
そして、それはここの人々にだって、戦っている人々だって、
同じことがいえると予想がつく。
>「ここではドラゴンは役に立たない。降り立って広間で合流しよう」
アジェスタの声に、彼女のいるはずのほうを見ると、
すでに降り立ったあとのようで姿は確認できなかった。
>「それじゃあ、あたしもひとっ走り行ってくるわ。
>大丈夫よ。きちんと強化してるし。しっかりやってりゃ姐さんにだって負けないわ。
斬れ味ならね」
テーナも続いて降りていく。
その様子を見て、冷静になった。
(もう、ボクは見殺しになんてしたくない)
「できるだけのことはやってみる」
鈍器を手にすると、飛び降り一目散にヴァンプの元へ駆けていく。
鈍い音を立てて、それを叩き潰した。
返り血が頬についても、それを気にも留めず。
アンデッドと化した被害者にも情け容赦なく。
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> ヴァンパイアはその実力を発揮し始めます。
> 腕を一振りしただけで歴戦の戦士達を数人弾きます。
「うわっとっと」
目に見えないなにかにはじかれ、フォン、と吹き飛ぶ体。
体制を空中でなんとか立て直すと、ちょこんと着陸し、再び戦場へ駆け上る。
剣に貫かれたその体を見ても、顔色ひとつ変えないソレに驚きというか、
やれやれといった感じで鈍器を握りなおす。
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戦いは終わった。
そう、周りの雰囲気が告げている。
「エー」
誰に言うのでもなく、白いリルビットはつぶやいた。
とりあえず、お片づけが始まっているガイアの邪魔にならないよう、
壁際に寄って、ごろごろする。
「確か、今回の戦う相手って帝国だったんだよね?
それにたまたま妖魔が協力してくれていたわけで…
ボクがバカなのかなぁ?
帝国は?
帝国の代表はどうなっちゃってんの? いないの?」
うーん。
眉間に皺を寄せて考えているようだ。
「今回ばっかりは、まいっか!って気分にならないんだよね。
誰かー! このモヤっとをなんとかしてー!」
誰も聞いていないだろうに、そうぎゃあぎゃあ喚く。
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