(提示した戦闘ロール)
「粉々ダ…、だぁ…」
甲高い声を上げそうになって、慌ててトーンを落とした。
仕事に入る。
物音をできるだけ立てないように。
逆になにか物音がしないか聞き耳を立てて。
時々足を止めるものだから、なにかあったのかと
仲間たちの肝を冷やしたかもしれない。
だがそれは、緊張の連続に耐えられなくなって一休みしていたのだった。
(これが冒険なんだね)
と、考えることすら、停止中にしかできない。
ハイゴブリンの姿が見えた。
気を張り巡らせていた甲斐があり、相手の後ろは隙だらけだ。
と、考える間もなくまるで脊髄反射のように相手に駆け寄ると、
棍棒を叩きつけた。
よろめくハイゴブリンと、怒る他のハイゴブリン。
「やぁやぁ!
よくもやってくれたね? それはこっちの台詞ダヨー。
村の人、怖がってたヨ? 先に手を出したのはそっちだよ。
なんだよー、なんだよー、ムキになっちゃって。あははー」
と、今までしゃべれなかった鬱憤を晴らす。兼、ひきつけ役。
そんなわけで、戦闘中はしゃべりまくり逃げまくっていただけで
戦いは仲間に任せ切りであった。
先に進むと、ミノタウロスの足跡を見つけた。
「結構単調なんだね。あんまり頭よくないんじゃない?」
などと軽口を叩いた。
「ホント、罠を張る時間があったら良かったのにね。
相手が大きすぎて効果ないかもしれないケド」
しかしこの軽さも、やがて対面した巨体相手に吹っ飛んだ。
「で、で、で…でかすぎる」
影の大きさからしておかしい。全身の毛がざわめく感じがした。
低いうなり声が響き渡り、恐ろしさを増している。
それでも果敢に向かっていった仲間たちの姿を見て、
逃げるなんてことはしなかった。
「いつ死んでもいいって思ってても、
いざ、身の危険を感じると怖いものなんだね」
アホの子シュラーなのに、シリアスを出してしまいました。
ダメだー中の人の決意の力はこの程度だ!
どうして死ぬのが怖くないのかはしっかり決まっている。
でもそれを表に(他のプレイヤーさんにも)出さないで行きたかったな。
このあとは強敵とロールするとシリアスになって困るので
難易度を下げて欲しいとワガママを言ったのでした。
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