本の山から落ちてきたわたし。
それを受け止めたのは、「彼女」だった。
「大丈夫?」
わたしのことは忘れたのだろうか。彼女はそう言って笑う。
「えっへへ、私もドジだからー、よくこんな風になって
友達に怒られちゃうんだ。ね、どのクラスの子?」
そして、濁りのない瞳でそう尋ねるのだ。
彼女の他に、彼女の協力者や…本当の兄すら
わたしは敵に回しているのに。
「なに探してるのかな? よかったら、探すの手伝うよ。
ああ、気にしないで! 私もテスト勉強のためにここに来たんだけど
やっぱり勉強苦手だからなかなか進まなくってー」
信じられなかった。
彼女は、本当にあの彼女?
隙を見て様子を伺っていたから、同一人物なのは確か。
だけれど、わたしたちの集落を滅ぼしたあの彼女と同一人物だなんて
とても思えない、言い回しだった。
罠かもしれないとも考えた。
でもそれを否定するくらい、彼女はまっすぐにわたしを見るのだ。
「私は、――。あなたのお名前は?」
これが夢なら、どんなにいいことか。

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